子を委任者として任意後見契約を締結する方法【福岡の行政書士による無料相談】

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知的障害者や精神障害者の親が任意後見を利用するには(1)

子を委任者として任意後見契約を締結する方法

まず、子本人を委任者として任意後見契約を締結する方法があります。この場合、親の老後または死後に、任意後見人による保護が必要な状態になったときに、任意後見受任者が任意後見監督人の選任を申し立てることにより、任意後見人による保護を受けることができるようになります。

なお、子を委任者とする任意後見契約が締結された場合には、民法7条に定める者(本人・配偶者・四親等内の親族など)に加えて、任意後見受任者または任意後見人も、法定後見開始の申立てを行うことができますので、親以外に四親等内の親族がいない場合には、特に有効です。

以下、子が未成年者か成年者かに分けて見ていきます。

子が未成年者の場合

子が未成年者である場合、任意後見契約の締結にあたり、法定代理人である親権者が行う行為に応じて次の2つの方法があります。

  • ア)法定代理人である親権者が未成年者を代理して契約を締結する方法

子本人が未成年者の場合には、子本人を代理して法定代理人である親権者が法律行為を行うことができます。通常、子の両親が親権者になりますので、子の親は、子本人を代理して、信頼できる任意後見受任者と任意後見契約を締結することができます。

なお、親が親権者として任意後見契約を締結する場合、未成年者たる子が意思能力(意思能力とは、自己の行為の結果を理解することができる精神的な能力をいい、一般論としてはおおむね10歳程度の能力であると考えられています。なお、意思能力のない者の法律行為は無効です)を有しているか、あるいは子が任意後見契約に同意をしているかは法律的には考慮する必要はありません。親権者は、未成年者の法定代理人として、自己の判断で任意後見契約を締結することができます。

  • イ)未成年者が法定代理人である親権者の同意を得て契約を締結する方法(未成年者が意思能力を有している場合)

未成年者が意思能力を有している場合には、親権者の同意が条件となりますが、未成年者自らが任意後見受任者と任意後見契約を締結することができます。したがって、知的障害者又は精神障害者等であっても、意思能力を有していればこの方法により契約を締結することができます。

アとイの方法には、親権者が、自ら積極的に契約を締結するか、それとも未成年者が任意後見契約を締結するに際し同意を与えているか、という違いがありますが、親権者が最終的な決定権を持ちますので、結論においては大きな違いはありません。しかしながら、未成年者が意思能力を有しており、ある程度判断能力を期待できる場合には、未成年者の意思を尊重し、任意後見契約の締結や任意後見受任者の選任にあたり、未成年者の意思も取り入れながら、決定すべきです。

また、子が未成年者の間に、親権者が死亡するなどして親権を行使する者がいなくなった場合、任意後見契約を締結していても、子が未成年者である間は任意後見は開始しないことになっているため、新たに後見人が選任され、その者の死亡に備えて遺言により未成年者の後見人(その場合には、任意後見受任者が適任であることが多いと思われます)を指定しておくことも検討すべきです。

子が成年者の場合

子が成年者の場合、その意思能力の有無により、分けて考える必要があります。

  • ア)子本人が意思能力を有する場合

子本人が成年者であり、かつ意思能力がある場合には、子自らが委任者となり、信頼できる任意後見受任者との間において、任意後見契約を締結することができます。逆にいえば、子が成年者であり、意思能力があれば、任意後見契約の締結は子本人の意思に委ねられているといえます。

  • イ)子本人が意思能力を有していない場合

子本人が意思能力を有していない以上、子が任意後見契約を締結したとしても、それは無効です。もっとも、子が成年者の場合には、親であっても法定代理人たる親権者という立場にはありませんので、この場合には、子本人に法定代理人を付けるため成年後見等の申立てを行い、そこで選任された後見人等が子を代理して任意後見契約を締結することになります。

よって、成年後見の申立てを行い、親を後見人として選任してもらい、そこで後見人として子を代理して任意後見契約を締結することが考えられます。しかしながら、いったん法定後見が開始すると、例えば後見人たる親が死亡した場合に、その後任を誰にするか、また任意後見契約が締結されていたとしても任意後見を開始するか否かは、家庭裁判所判断に委ねられています。したがって、親は自己が死亡した場合には、後任者として任意後見受任者を選任するか、または任意後見を開始するようにアピールしておく必要があろうと思われます(ただし、最終的な判断は、家庭裁判所が決定することになります)。

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