個人事業の廃業手続き(会社への固定資産の引継ぎ)、現物出資以外の契約書作成【福岡の行政書士による無料相談】

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個人事業の廃業手続き

会社への固定資産の引き継ぎ

個人事業での固定資産を会社で使う

個人事業者が法人成りして会社で事業を行う場合、通常は、個人事業で使っていた車やパソコン・コピー機などといった固定資産は、会社にそのまま引き継ぎ使用していきます。

しかしながら、「個人と会社は別人格」のページで見たように、個人と会社は別人格です。そのため、個人名義で所有していた物を会社で使う場合は、通常、以下のような「固定資産の名義を会社に変更する」「固定資産を会社に賃貸する」などの方法をとらなければなりません。

売却 会社に固定資産を売却し、会社名義にする。
賃貸借 名義は個人のまま、会社に有償で固定資産を賃貸する。
使用賃借 名義は個人のまま、会社に無償で固定資産を賃貸する。
現物出資 現金の代わりに固定資産を「資本金」として会社に出資する。名義は会社になり、個人は株式と引き換えに売却したこととされる。
贈与 固定資産を会社に無料で提供する方法。固定資産の名義は会社になる。

それぞれ以下のような特徴がありますので、自分に合った方法を採用することになります。

売却

最も一般的な方法です。個人事業で使用している固定資産を、会社がお金を払って個人から買い取り、会社名義とする方法です。

この場合、売却した年に事業主が確定申告で譲渡所得を申告しなければなりませんが、後の手間は特に必要ありません。

この際の売却価格は時価になります。この時価について、土地や建物といった不動産の場合は、近隣の土地・建物の実勢価格や公示価格、路線価や固定資産税評価額などを検討しながら決めていくことになります。

それ以外の自動車などの車両・パソコン・机・コピー機などといった器具備品、店舗の内装設備などについては、同種の中古品の価格が時価になります。ただ、実務的には中古品の価格と帳簿価格(個人事業の帳簿上の額)にそれほど差がないことがほとんどですので、通常「時価=帳簿価額」になります。

その場合、不動産以外の固定資産を時価である帳簿価額で売却すると、売却による事業の利益も生じませんので、事業主側に売却による税金が発生することもありません。

一方、会社側は売却価格である帳簿価額を基に、毎年減価償却費を計上していくことになります。

欠点としては、会社から個人へ売却額を支払う必要があるので、設立時に会社のお金が少ない場合は、その資金の手当てを考えなければならないことです。

賃貸借

固定資産の名義は個人のままで会社に賃貸し、会社から賃貸料を受け取る方法です。

この方法の場合、名義は個人のままですので、個人名義から会社名義への変更手続きを考える必要がありません。よって、土地や建物、車両などといった名義変更に登記や登録などの手続きが必要な固定資産の場合に、その手間や費用を省くことができますので有効な方法になります。

また、会社側では、支払う賃借料を経費とすることができます。

欠点としては、賃貸料を受け取る個人事業主側で、毎年、確定申告を行わなければならないことです。また、賃貸料がその固定資産の減価償却費や維持管理費などの経費を上回る場合には、上回る金額が利益となり、個人事業主側で税金が発生します。

使用賃借

固定資産の名義は個人のまま、無料で会社に賃貸する方法です。

この場合、お金のやり取りは一切発生しないので、確定申告の手間などもなく、もっとも手間が少なくてすむ方法といえます。

また、使用賃借の場合、その固定資産を使用することにより発生する固定資産税や自動車税・保険料・修繕費といった維持管理費用は会社側で負担することになります。

欠点としては、会社側でその固定資産を使用することにより計上できる経費が、上記の維持管理費用のみになってしまうことです。減価償却費や賃貸料に相当する金額は経費になりませんので、会社側で経費に計上できる金額が、売却や賃貸借に比べて少なくなります。

現物出資

「売却」の変形型がこの「現物出資」になります。会社設立の際、資本金の一部を現金の代わりに固定資産で出資し、会社はその見返りとして株式を渡します。

現物出資をする事業主側は「売却」したものとして扱われます。そのため、出資額を時価にしておけば、個人事業主側で新たに税金が発生することはありません。

「売却」と違い現金を渡す必要がないので、会社の現金が少ない場合に有効な方法といえます。

欠点としては、会社設立の際、弁護士や税理士といった検査役に、出資額が妥当であるか検査してもらう必要があることです。ただし、現物出資の金額が500万円以下の場合には、検査が不要になります。

贈与

個人事業主が会社に固定資産を無料で提供して、会社名義とする方法です。

贈与をする個人事業主側は、時価相当額で「売却」したものとして扱われますので、時価が帳簿価額以下の場合は、税金は発生しません。

一方、会社側ではこの時価相当額を基に、毎年減価償却費を計上していくことになります。

欠点としては、会社側が受け取った時点で、時価相当額を受贈益として利益に計上しなければならないことです。1年目が赤字の場合には赤字と受贈益とを相殺できますが、黒字の場合や受贈益が赤字を上回る場合などには、増えた受贈益に対する税金を会社側で支払う必要があります。

現物出資以外の場合は契約書を作成する

どの方法を選択するかはケースバイケースになりますので、自分の場合に一番有利な方法を比較検討して採用することになります。

その際、現物出資以外の「売却」「賃貸借」「使用賃借」「贈与」の場合には、それぞれ契約書と株主総会議事録(取締役会がある場合は取締役会議事録)を作成しておくことをお勧めします。

  • 現物出資の場合は、定款などに現物出資の内容が記載されますので不要です。

事業主と事業主が株主である会社との契約になりますので、売却価格や賃貸料は第三者との契約と違って、事業主の思い通りに決めることが可能です。そのため、その金額が妥当なものであることの裏付けとして契約書と株主総会議事録(取締役会議事録)を作成し、きちんと手続きを踏んで決めた金額であることを証明できるようにしておく必要があります。

「会社への固定資産の引き継ぎ」のポイント

  • 個人事業の固定資産を会社に引き継ぐ方法は、「売却」「賃貸借」「使用賃借」「現物出資」「贈与」の5つ。
  • 「現物出資」以外の方法の場合は、契約書と株主総会議事録を作成する。

行政書士にご相談ください

当事務所では、会社設立・法人成りの手続きだけではなく、個人事業の廃業手続きにつきましてもご相談にお応えしています。個人事業から会社への固定資産の引き継ぎの際に、どの方法を採用するのが最も有利になるかのコンサルティングから、「売買契約書」「賃貸借契約書」などの契約書や、株主総会議事録の作成も行っておりますので、お気軽にご相談ください。

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