

内容証明(郵便)とは、いつ、どのような内容の文書が郵便として差し出されたかを郵便局(郵便事業株式会社)が証明してくれる制度です。つまり、内容証明郵便とは、手紙であり、その内容が公的に証明された文書ということができます。
たとえば、知人Aにお金を貸したが、Aが全く返済してくれないため、その返済の催告を内容証明郵便で行う場合、
●Aに対していつ返済の催告をしたかの証拠を残すことができる(証拠の保全)
●Aに対し債権回収の強い決意を示し、心理的に任意の返済を促すことができる(副次的効果)
などといったメリットがありますので、電話や普通郵便などで返済を催告しても相手方が応じてくれない場合には、最終的な請求手段として利用します。
催告書等の文書を内容証明郵便で差し出した場合、差出人には、相手方に差し出した文書と同じ内容の謄本が手元に残され、その謄本には郵便局により当該郵便物がいつ差し出されたかを証明する文言が記されます。
したがって、差出人は手元に残された謄本により、いつ、いかなる内容の文書を相手方に差し出したかを、確実かつ簡便に証明することができるのです。
もし、催告書等を内容証明郵便によらず普通郵便で差し出した場合、差出人の手元には何も残りません。そのため、後日相手方との間で「たしかに催告書を郵便で送った」「そんな文書は届いていない」などといった水掛け論になる可能性が高くなります。その場合、差し出した事実を証明するのは困難です。
仮に差出人がコピーを残しておいたとしても、そのコピーと同じ文書を確かに郵便で差し出したということの証明はそれ自体ではできず、そもそも郵便を出したのか、郵便を出したとしても本当にそのコピーと同じ文書を出したのか、ということが争いになってしまいます。
これに対し、内容証明郵便は、文書の内容と差出日を郵便局が証明してくれるため、非常に高い証拠能力が認められるのです。
このような理由で、後日の証拠を残しておかなければならない重要な文書については、内容証明郵便で出しておく必要があるのです。
内容証明郵便の場合、文書の内容と差出日は上記のように郵便局によって証明されますが、その文書を相手方が受け取ったことまでは証明することができません。
そのため、内容証明郵便によっても、まだ相手方に「そんな文書は届いていない」と言われてしまう可能性があります。これではせっかく催告書などを作成しても無駄になってしまいます。
そこで、内容証明郵便に加え、配達証明郵便を利用します。
配達証明郵便とは、郵便が相手方に到達したことと、その到達日を郵便局が証明してくれる制度です。後日の訴訟等に備えて、返済の催告を確かに行ったという証拠を残しておく必要がある場合には、内容証明郵便にするとともに、必ず配達証明郵便にもしておきます。
返済の催告書などを内容証明郵便で出しても、法律上、それだけでは相手方に返済を強制させることはできませんし、そもそも、相手方には内容証明郵便に反論する義務もありません。
しかしながら、内容証明郵便は、実務上、訴訟などの法的手段に訴える前の段階で、後日の訴訟等の証拠として残しておいたり、とりあえず事前の警告を発して相手方の出方をうかがう際に利用されているため、内容証明郵便を受け取った相手方は、差出人が将来訴訟等の法的手段に訴えるかもしれないと感じ、それを避けるために任意に返済をしてくることもあります。
このように、内容証明郵便には、後日の証拠を保全するとともに、副次的な効果として、差出人の強い回収への決意を相手方に示し、相手方に心理的な圧力・プレッシャーを加えるという効果もあるのです。