

「持ち家」があって「相続人が複数」いれば、遺産相続争い・トラブルとなる可能性が高いことをご存知ですか?

実際に家庭裁判所に持ち込まれた遺産分割の事件数を見てみると、毎年その件数は増加しており、平成18年度においては、とうとう1万件を超えています(右図)。
そしてこの遺産相続の問題は、「財産が多いから生じる」と思っている人が多いようですが、実際は違います。
この遺産分割事件数のうち、認容・調停成立となった件数を遺産の価額別に見てみると(下図左)、遺産総額が5,000万円以下のケースは約71%(うち、1,000万円以下のケースが約28%)にも及んでいます。つまり、「財産は少ないから遺産相続争いにはならない」とは決して言えないのです。
遺産相続争いとなる原因は別にあります。それは遺産の価額ではなく内容なのです。つまり、遺産の中にどんなものが含まれるか、です。
それでは次に、遺産の内容別に見てみると、遺産のなかに不動産を含むケースが約86%もあります(下図右)。
遺産分割事件のうち、不動産を含むケースの割合が高いのは、持ち家などの不動産が、現金や預貯金などとは違い、きれいに人数分に分けることができない物であるのに、それを分けなければ分けるものがなかったり、各相続人の取り分が不公平になってしまうため、どうしても分けなければならず、そのための話し合い(遺産分割協議)をしなければならないためです(右図)。
これらのことからも分かるように、財産の多い少ないに関わらず、持ち家などの「分割しにくい財産(=不動産)」があり「相続人が複数」いる場合は、遺産相続争い・トラブルとなる可能性が高くなることをしっかりと覚えておいてください。

そして、争い・トラブルとならないために、できるだけ早い段階から相続対策を行ってください。相続対策を行う方の年齢は、一般的には高齢です。60代や70代、なかには80代になってから相続対策の必要性に気付く方もいらっしゃいます。自分の死後を考えるのですから、当然といえば当然かもしれません。
しかし、相続対策として「遺言書の作成」や「生命保険への加入」などを行いますが、これらは判断能力や年齢等により利用できないこともあります。
そのために何も相続対策を行えなかったとしたら、あなたも上記の遺産分割事件の件数の中に含まれてしまうかもしれません。だからこそできるだけ早く、「相続対策が必要かも・・・」と思ったらすぐに相続対策を検討しましょう。
その相続対策については、次のように行います(仮に配偶者(夫または妻)に遺産の多くを残すという前提で記載しています)。

まずは、遺言書を作成することにより、自宅等の不動産を配偶者に相続させます。つまり、不動産は分割させずに相続人のうちの一人がすべて相続します。これにより「1つしかない不動産を分割しなければならない」という遺産相続争いの問題を解決させます。また、配偶者(特に高齢の場合)の以後の住居の心配がなくなるというメリットもあります。
次に、遺言者(あなた・被相続人)を契約者・被保険者、配偶者を受取人とする死亡保険に加入し、その死亡保険金を配偶者が受け取れるようにします。その後(相続発生後)、受け取った死亡保険金から他の相続人(長男・長女)に遺留分(又は相続分)に相当する現金を代償分割財産として渡します。これにより、不動産をすべて配偶者に相続させたことにより生じる他の相続人(長男・長女)への遺留分の問題を解決させます。また、死亡保険金を葬儀費用や遺族の生活資金に充てることができるというメリットもあります。

このように、「遺言書の作成」や「生命保険への加入」による相続対策をきちんと行えば、不動産がある場合の遺産相続争いを防ぐくことができますし、同時に遺留分の問題や葬儀費用・遺族生活資金などの金銭上の問題も解決することができます。また、ご自分の「生きた証」である財産をご自分の思う通りに後世に残すこともできます。
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