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任意後見契約を利用する場合の手続きと注意点(2)

任意後見契約の締結の準備

任意後見契約公正証書の作成

  • 契約内容の確定

本人と受任者の間で作成した任意後見契約書の案をもとに、公証人と相談して契約書の案を完成させ契約内容を確定させます。そして、契約書の案が完成したらその作成に関する日時を定めて、本人と受任者がともに公証役場に出向いて任意後見契約公正証書を公証人に作成してもらいます。

任意後見契約の公正証書を作成するにあたって、本人の判断能力と契約を締結する意思を確認するため、公証人は原則として本人と面接するものとされ、本人の判断能力に疑いがある場合には、医師の診断書等の提出を求めて証書の原本とともに保存し、または本人の状況等を録取した書面を作成して証書の原本とともに保存することになります。

なお、本人に病気・高齢などの事情があり、公正役場に出向くことが困難な場合には、公証人に本人の自宅や入所施設等に出向いてもらって公正証書を作成することもできます。

公正証書が作成されると、公証人が法務局へ登記を嘱託し、任意後見契約の登記がされますので、本人や任意後見受任者が登記の手続をする必要はありません。

任意後見契約公正証書の作成に必要な書類

  • 本人について
    • 戸籍謄本
    • 住民票の写し
    • 印鑑登録証明書
    • 実印

ただし、本人が公証役場に出向く場合は印鑑登録証明書に代えて、運転免許証・パスポート等を使用することもできます。

  • 受任者について
    • 住民票の写し(法人の場合は登記簿謄抄本)
    • 印鑑登録証明書
    • 実印

なお、委託事項として、不動産の保存・管理および処分に関する事務を委託する場合など契約内容によっては、不動産の登記簿謄本等が必要になることもあります。

公正証書作成手数料

任意後見契約公正証書の基本手数料は、報酬の有無にかかわらず契約1件について11,000円とされています。ただし、任意後見受任者が複数人いる場合の契約の個数は、任意後見受任者が権限を単独で行使できるとき、または、権限分掌の定めがあるとき(各自代理)は、1通の公正証書で作成した場合であっても、受任者ごとに契約は個別とされ、受任者の人数分の契約件数として基本手数料を算定することとなります。

一方、任意後見受任者が複数人いる場合でも、権限の共同行使の定めがある場合(共同代理)には、契約は不可分として1件の契約として手数料が算定されます。

また、移行型の任意後見契約の場合、財産管理委任契約と任意後見契約は別個の契約として手数料の算定がなされます。

上記の基本手数料のほかに、以下記載の費用がかかります。

  • 謄本交付手数料(証書1枚につき250円)
  • 枚数加算手数料(証書枚数4枚超の部分について1枚につき250円)
  • 登記嘱託手数料(1,400円)
  • 登記印紙代(4,000円)
  • 郵便料(実費)

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